「家から出ないでください」イギリスのジョンソン首相の3月23日のメッセージです。新型コロナウィルスは猛威をふるい安城市交響楽団の練習も3月、4月と中止を決定しています。残念ですが今は世界が一つになって新型コロナウィルスと戦う時です。1番の方法は「家から出ないでください」だと思います。それでは勉強も仕事も社会の人たちとの付き合いもできないというのが現実です。しかし気持ちはそうあるべきだと思います。京都大学教授の山中伸弥教授が「新型ウィルスは日本にだけ優しくしてくれる理由を見つけることはできない」と話していました。まったくその通りです。
今、一人一人が新型ウィルスとどう戦うかが問われています。そしてその戦いは愛する家族や親しい友人や同じ時代を生きている世界の人々を助ける戦いになります。安城市交響楽団が練習を休むということはそういうことです。
「シケの日の仕事」というタイトルのつい文章を紹介します。
作者は東日本大震災で大きな被害を受けた漁業のまちで、震災から2年後に編み物の会社をたちあげた御手洗瑞子(たまこ)さんです。
気仙沼の漁師を訪ねたときのことだ。海にいるのかと思いきや、岸辺の作業小屋でもくもくと慣れた手つきで漁網の補修をしていた。海が荒れているシケの日は無理に漁に出ず、穴の開いた網をつくろうのだという。天候が落ち着き、いざ漁に出ようというときに、網に穴が開いていたらとれる魚もとれない。「シケにはシケの仕事があるんだよ」とその漁師が教えてくれた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、個人も企業も自治体も対応を迫られている。いつもどおりの生活や営業ができない状況で、不安も募るが、淡々と「いまできること」をすることも大切なのかもしれない。
(宮城県気仙沼ニッティング社長・御手洗瑞子さんの文章を転載