挨拶

一般社団法人安城市交響楽団代表 坂田成夫

「さかみちをのぼって」

「さかみちをのぼって」は岩手県大船渡市の大船渡保育園の園歌です。被災地との交流の中で知った園歌です。

2011年の東日本大震災震災後に大船渡保育園を訪れた作曲家の千住博さんと作詞家の覚 和歌子さんが園庭から見下ろす街の壊滅した風景を見て、幼稚園に寄贈を申し出て実現しました。「さかみちをのぼって あのくもをつかもう」という詩には、地震が起きたら何をおいてもまずさかみちを登るという意識を子どもの心に植え付けたいという願いが伝わってきます。“前を向いて登っていく坂道の上には青空と太陽の世界がある”と素敵な表現を用い、坂道を登ることで命を救う、ことを伝えています。

被災地に誕生した「さかみちをのぼって」という歌には多くの人からの命のバトンが託されているように感じます。いのちを大切にして、今あるいのちを一生懸命生きてほしいという思いもこの園歌からは伝わってきます。

安城市交響楽団の活動も“交響楽団の魅力をもっと皆様方にお伝えしていきたい”“交響楽団の楽しさをもっともっと感じていただく努力をしていきたい”という思いとともに“いのちを大切にして、今あるいのちを一生懸命生きてほしい”という思いも演奏を通じて伝えていきたいと思います。演奏するという行為にはそんな力もあると考えます。12月25日(日)第9回定期演奏会-第9特別演奏会-「いのちのバトン」をどう表現していくか、楽しみにしてご来場ください。

(大船渡保育園歌 1番のみ 2番、3番省略)

さかみちをのぼって あのくもをつかもう あおいきてきのおと ゆれるちいさなはな
うみのひかりつれて すべってくるかもめ さかみちをのぼって あのくもをつかもう
はるかな旅に出て光となったひとへ たゆまずに生きていくと しずかな誓いを立てる
ふるさとはここだと しみる思いをかかえて 大切な誰かにそっと この歌を手渡して

指揮者 服部洋樹

8月から12月にかけては、アマチュアオーケストラの演奏会ラッシュです。特に8月末から9月にかけては学生オーケストラでは合宿が開かれたりしています。コロナで必ずしもこれまで通りとはいかないかと思いますが、合宿では普段の練習でのわずかな時間だけでは得ることができない奏者同士のつながりを、数日一緒に過ごすことにより高めることができます。オーケストラはざっと50人ほど、もっと大きな曲になると100人以上の奏者が同じ舞台上で同じ時間を共有することになります。(今回演奏するベートーヴェンの交響曲第9番もオーケストラと合唱を合わせると舞台上の奏者は100人はゆうに超えます)例えばヴァイオリンでいうと、第1ヴァイオリンは12人~が基本となりますので、12人が1時間以上まったく同じ動きをすることとなります。日常生活の中でそんな場面はめったにありませんので、その12人の仲が悪ければもちろんいい音など出せるはずがありません。安城市交響楽団も初期からいる団員さんとは5年の付き合いになろうとしています。舞台以外の付き合いの面でも音が作られていく。オーケストラの面白く深い一面がそこにもあります。

弦楽器アドバイザー 金沢 紫

第7回の演奏会も、団員、サポーター、お客様のお力添えで無事開催できたことを感謝御礼申し上げます。まだまだ厳しい状況が続きますが、一刻も早い終息を願うばかりです。
さて第8回ではシューマンとベートーヴェン共に交響曲1番を演奏します。シューマンの交響曲第1番は「春」と呼ばれており、妻のクララと結ばれロマンチックな時期に情熱を持って作曲された作品と言われています。ベートーヴェンの第一番は彼が最初に作曲した交響曲であり、ピアノソナタ「悲愴」などと、並ぶベートーヴェン初期の代表作です。
第9回は年末らしくベートーヴェンの「第九」を演奏予定です。第九を年末に聴くというのは醍醐味でもあるわけですが、2年連続コロナもあり、開催できませんでした。3年前に初めて安城市交響楽団で演奏できたことは、今でも鮮明に覚えており、大曲ではありますが、オーケストラ、合唱と一丸となって開催できたことは大変嬉しく、達成感がありました。ぜひ今年は開催できますよう願っております。

管打楽器アドバイザー 加藤 菜月

7月10日の第8回定期演奏会を無事終えることができました。安城市交響楽団に心を寄せてくださる皆さま、応援してくださる皆さま、いつもありがとうございます。

コロナ禍で、人は多くのコンサートを配信でも楽しめるようになりました。音楽の楽しみ方の選択肢が広がったという観点では、とても良いことだと感じます。同時に、目の前の演奏者が奏でる音楽を聴くワクワク感や、直接肌で感じる音圧や熱量、コンサートホールで演奏を聴き経験できることが、いかに貴重で幸せなことかをより感じられるようになったと思います。

次回の第9回定期演奏会では、ベートーヴェン の交響曲第九番を再び演奏します。オーケストラ、ソリスト、合唱、全てを楽しめるこの大曲を、安城市民会館の大きなホールに響かせます。

安城市交響楽団の益々パワーアップした第九に是非ご期待ください。